日本財団 図書館


 

ンテナ船の代役を果たすことになり、加えて全国道路網の整備が大型トラック輸送に拍車をかけたため、残念ながら本試設計は実現しなかりたが、これが意外にも本邦における小型貨物船の大型化の端緒となり、昭和45年(1971年)以降建造されたものは、殆ど2層甲板船となった。
(昭和55年以降新測度法実施までに竣工した旧法499総トン型貨物船の主要寸法等を第2−1表、第2−2表に参考として掲載した。)昭和43年8月から「鋼船の乾げん」が実施されたのも、その一因となり、2層甲板型小型貨物船が続々建造され7条の船舶(甲板2層以上を有する船舶であって、船舶積量測度規程第7条に定められた位置に満載喫水線を表示している船舶で、通常第2甲板と上甲板との間の貨物倉等が総トン数から除外されている。)と呼ばれた。
また、上甲板と第2甲板間の垂直距離と上甲板上のハッチコーミングの高さを極端に大きくし、通達により規制されたこともあった。(昭和50年12月22日 舶査第807号)
昭和57年7月18日より施行された「船舶のトン数の測度に関する法律及び同施行規則」では、7条の船舶の思想を継承し、
「法第5条第3項の運輸省令で定める船舶」…施行規則第36条
「法第5条第3項の運輸省令で定める船舶の総トン数の数値を算定する場合の係数」…施行規則第37条
上記の規定があり、現行法施行後も小型2層甲板船は引続き建造され、旧法より現行法による方が、概ね主要寸法は大きくなると思われる。
本書記載の内航コンテナ船は小型貨物船を合理的に大型化した点で画期的な設計であったと考え、敢えて教材とした次第である。
なお、この試設計船の総トン数は、旧法で481.34トン、現行法では371トンとなる。
因みに、現行法施行後竣工した船舶整備公団共有の499総トン型貨物船〔2層甲板型、100mm乾げん(乾げん甲板は第2層甲板)〕の主要寸法等を次に掲げる。

003-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION